lux luceat eis


14.鎮魂歌

あなたが気付いてここに来るまで
私がずっと歌っていたのは
この村のためのレクイエム。

私は天に召されませんでした。
ふふ
そうですね。

私自身、気づかないうちに
彼を愛したからかもしれません。
主の教えに、背いたのですから。

それでも私はこのままがいい。

いつか生まれ変わったあの人が
私の事を思い出して
私を迎えに来てくれるなら…

私の唇から紡がれる歌は止まり
魂は再び肉の器に戻るでしょう。

有難う、旅の人。
随分と誰もここに来なかったものですから
実を言うと
とても寂しかったのです。

できればずっと居て欲しいのですが
生憎あなたは生きている。
ここには食べ物がありませんから
空が白み始めたら
あの山に向かってお歩きなさい。
夜までには大きな街に着くでしょう。
「その必要は無いな」




「ああ」




「その、まあ。なんだ」




「月並みだが」

15.sign

「迎えに来たよ。お前を」
16.運命

「もう、来てくれないと思っていました」

肉の器を得た魂は
再び時を刻みはじめ
やがて役者が舞台に集う。

運命の歯車が回り始め
歴史は何度も繰り返す。
緩やかな螺旋を描きながら。

「今度こそ、ずっと一緒だ」
「そうですね、ディーター」




「今度こそ」




「二人で生きて…」




17.人狼

さあ、血の宴をはじめよう


END




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